ひと口に口臭といっても、生臭いニオイやドブのニオイやツンとしたニオイなど、さまざまなニオイに表現されます。
個人の感じ方の違いもありますが、それだけでもありません。
病的口臭では原因によるニオイの違いがありますし、生理的口臭では同じように口内ケアをして同じ物を食べていても、人によって口臭のニオイには差があります。
この記事では、口臭の元であるさまざまな原因物質が、どのようなニオイがするのかを客観的に表現した例えを集めてみました。
もし自分の口臭を感じた時、あなたの口臭がどの口臭物質によって起こっているのかをある程度判断できると思います。
揮発性窒素化合物は魚や排泄物系のニオイ
硫黄を含まないタンパク質やアミノ酸を嫌気性菌が分解することによって発生するのが揮発性窒素化合物です。
主に魚のニオイや排泄物のニオイに近い悪臭を放ちます。
ニオイ成分 | ニオイの特徴 | ニオイを感じる濃度(ppm) |
---|---|---|
メチルアミン | 生魚のニオイ | 0.021 |
トリエチルアミン | 腐った魚のニオイ | 0.00021 |
アンモニア | おしっこのニオイ | 46.8 |
インドール | 大便のようなニオイ | |
スカトール | おならや大便のようなニオイ |
出典:Leonardos,et al:J. AirPollu. Control. Assoc. 199,91(1969)から改変
ニオイを感じる濃度については、少なければ少ないほど微量でも口臭として感知されるということです。
反対にニオイを感じる濃度の高いアンモニアは、多く発生していてもかなり多量でないと口臭として感じられないということです。
揮発性硫黄化合物(VSC)は腐ったもの系のニオイ
硫黄を含むタンパク質やアミノ酸を嫌気性菌が分解すると揮発性硫黄化合物(VSC)を発生します。
VSCは口臭の主な原因物質となります。
ニオイは物の腐った系統の悪臭に例えられます。
ニオイ成分 | ニオイの特徴 | ニオイを感じる濃度(ppm) |
---|---|---|
メチルメルカプタン | 腐ったタマネギ | 0.0021 |
ジメチルサルファイド | 腐ったキャベツ | 0.0010 |
硫化水素 | 腐った卵のニオイ | 0.0047 |
出典:Leonardos,et al:J. AirPollu. Control. Assoc. 199,91(1969)から改変
VSCは口臭の主要な原因ですので、もっとも馴染みのあるニオイかもしれません。
その他のニオイ、揮発性脂肪酸と揮発性有機化合物
糖分や脂肪やアルコールが代謝されて作られる物質の揮発性脂肪酸、揮発性ケトン体(アセトン)やアセトアルデヒドが口臭の原因になることがあります。
ニオイ成分 | ニオイの特徴 | ニオイを感じる濃度(ppm) |
---|---|---|
酢酸 | 刺激臭 | 1.0 |
吉草酸 | むれた靴下のニオイ | |
酪酸 | 乳の腐ったニオイ | 0.001 |
プロピオン酸 | 刺激的な酸っぱいニオイ | |
アセトン | ツンとする甘いニオイ | 100.0 |
アセトアルデヒド | ツンとする酸っぱいニオイ | 0.21 |
出典:Leonardos,et al:J. AirPollu. Control. Assoc. 199,91(1969)から改変
糖分や脂肪の代謝物質のニオイは、主に酸っぱい系統のニオイであることがわかります。
まとめ
この表から、主な口臭の原因となっているVSCや揮発性窒素化合物が、非常に微量であっても悪臭として感じてしまうことが理解できます。
だから、適当に歯をみがくだけでは、口臭を完全におさえこむことができないのです。
これらを発生させないためには、口臭発生の原理やタイミングをきちんと理解した上で口内ケアをしないといけません。
ちょっとの油断や、ケアの怠りが口臭を発生させてしまうのです。
でもスケジュール通り完璧にケアをし続けるのは難しいかもしれません。
それをカバーするためには長時間作用するマウスウオッシュやサプリメントの使用がおすすめです。
これらを活用することで口臭のコントロールがとても楽になります。

