唾液のネバネバ・サラサラ具合は口臭と虫歯リスクのバロメーター

虫歯ができて口臭を気にする女性

つばがドロドロしてくると口が臭いような気がするけど関係ある?で書いたように、唾液の循環が悪くなることで細菌のコントロールができなくなり口臭が発生しやすくなります。

この時には単に嫌気性菌が活発になっているだけではなく、口の中のpHが酸性に傾いてしまっています。

口の中がpH5.5より酸性化すると歯の表面のエナメル質が溶け始めて、歯が脱灰して歯に穴が空いてしまうといわれています。

これが虫歯の始まりです。

虫歯ができてしまうと、さらに口臭が発生しやすくなって、通常の口臭対策だけではさわやかな息を達成することはできなくなります。

虫歯を予防することは口臭予防でもあるのです。

この記事では、唾液の粘稠性やpHの変動が起こる原理とpHのコントロールで虫歯を予防する方法についてまとめてみました。

唾液腺によるネバネバサラサラの違い、pHの違い

唾液腺の位置

人では唾液のほとんどは大唾液腺とよばれる3つの分泌腺から作られます。

3つの大唾液腺、耳下腺顎下腺舌下腺はそれぞれに分泌する唾液の性質が違い、分泌量の割合も状況により変化します。

つまり、各唾液腺からの分泌液のカクテル具合によって、唾液の性質やpHが変わってくるということです。

唾液腺による粘稠性の違い

  • 耳下腺:サラサラした唾液を分泌
  • 顎下腺:ネバネバとサラサラの中間の性質をした唾液を分泌
  • 舌下腺:ネバネバの唾液を分泌

安静時唾液と刺激唾液とそのpH

安静時唾液
唾液は24時間休まず分泌されています。
安静にしている時に分泌されている唾液を安静時唾液といいます。
この唾液の比率は耳下腺由来が25%顎下腺由来が65%舌下腺由来が5%、小唾液腺由来が5%です。
この時の唾液のpHは6.8くらいに維持されています。
刺激唾液
美味しそうな食べ物や酸っぱい食べ物を見たり、実際に食事をするとその刺激で一気に唾液が分泌されます。
この時の唾液を刺激唾液といいます。
分泌速度は安静時の50~100倍にもなると言われています。
刺激唾液の唾液腺の比率は、耳下腺由来(サラサラの唾液)の唾液分泌が増えて45~50%を占めるようになります。
唾液のpHはアルカリ性に傾きpH7.5~8.0くらいになります。

虫歯ができるかどうかはpH次第

口臭のもとになる虫歯

口臭の原因である嫌気性菌の活動を抑えるのには、唾液の循環作用が重要でしたが、虫歯を防ぐ観点からは口腔内のpHを維持する唾液の緩衝作用が重要です。

プラークによるpH低下

歯の表面のプラーク(虫歯菌や嫌気性菌の塊)は酸性を示し、歯を溶かそうとしますが、唾液が十分に分泌されているとその緩衝作用で歯が脱灰するほどに酸性化しないように中和します。

ところが食べ物の糖などを吸収すると虫歯菌の活動が活発になり、さらに酸性度を強めて歯を溶かしてしまいます。

甘いものが虫歯になりやすいのはこのためです。

食事によるpH低下

食事をすると主に酸性に傾きます。

特にジュース、ポン酢、マヨネーズ、ドレッシング、味噌汁などは、長く触れていることで歯の脱灰を生じてしまいます。

プラークがなくても起こりますし、あれば脱灰の進行が早くなります。

唾液による歯の再石灰化が虫歯を防ぐ

プラークや食事によって口の中が酸性に傾いても、十分な唾液が分泌されていると酸を中和してくれます。

食事によりアルカリ性の刺激唾液が分泌されることでその働きを高めているのです。

歯の表面が溶けてしまった場合でも、唾液の緩衝作用にともなって歯はまた硬くなっていき、歯の表面が修復されます。

これを歯の再石灰化といいます。

中和剤の唾液の減少でpH低下

口の中のpHをコントロールする要と言える唾液。

その唾液がさまざまな原因(就寝中、ストレス、口呼吸、加齢、薬の副作用、シェーグレン症候群など)によって唾液の分泌量が減ってしまうとpHは低下したままになり、十分な歯の再石灰化が行われなくなります。

歯の修復が終わらないまま、次の食事をすることでますます歯の脱灰が進み、穴が空いてしまい虫歯となるのです。

ストレス時には輪をかけてpH低下

ストレス時には唾液の分泌量が減少することで口の中の酸性化を中和できないだけでなく、唾液そのもののpHが6.0くらいまで下がってしまいます。

そのため歯が溶けてしまうのをさらに悪化させることになります。

虫歯予防はpHコントロールが一番大事

口臭予防グッズ歯みがき粉

虫歯を予防するためにはpHコントロールで口の中を中性に保つことが大事で、唾液がその重要な役割を担当していることをわかっていただけたでしょうか?

最後にpHコントロールで虫歯を予防するためのポイントをまとめてみました。

  • 歯みがきをしっかりする
    ※酸性食品を飲食した後は歯が酸により柔らかくなっているのですぐに歯みがきをしない
  • 就寝時の口の中の乾燥を防ぐ
    寝る前に水分補給、マスクや口唇テープをして乾燥を防ぐなど
  • 食事の仕方を考える
    寝る前の飲食は睡眠中の歯の脱灰を促進するリスク
    ダラダラお菓子などを食べているとその間中ずっと酸にさらされて歯が溶ける
  • 歯みがきの後に歯にフッ素を塗って歯を溶けにくくする

まとめ

以上のような虫歯と唾液の関係を理解すれば、虫歯予防のために何をしてはいけないかがおのずとわかってくると思います。

虫歯予防をすることは口臭予防につながります。

がんばって口内ケアに取り組んでいても、虫歯ができてしまったら台無しです。

さわやかな息を実現するためには歯の健康にも注意を払うようにしましょう。