これまで口臭に悩んだ経験があると、自分の子供たちも同じように口臭に悩むのではないかと不安になります。
自分がその辛さを知っているだけに、子どもにはそんな思いをして欲しくないと考えるのは自然なことです。
病気の中にはいろいろと遺伝するタイプのもがありますが、口臭に関してはどうなのでしょうか?
口臭が遺伝するという研究は見つからない
医学雑誌の研究報告を調べても、直接的に口臭が遺伝によって起こるという報告は見つけることはできませんでした。
しかし、間接的に口臭に関連する遺伝病が一部認められています。
非常にまれな魚臭症
ネットを調べると、口臭が遺伝する唯一の病気として魚臭症(fish-odour syndrome)を取り上げているサイトを見つけることができます。
この病気になると尿・汗・息の中にタンパク質の代謝産物であるトリメチルアミンという物質が含まれるため、病名の由来となっている腐った魚のニオイがするのです。
トリメチルアミンを分解する肝臓の酵素が遺伝的に欠乏しているために発生する病気です。
魚臭症に関しては、日本人はまず心配することはありません。
日本においては遺伝的な魚臭症は皆無ですし、世界にも700人程しか患者のいない病気です。
後天的に起こるトリメチルアミン尿症という病気も魚臭症と呼ばれることがありますが、遺伝病ではありません。
舌の形の異常が口臭のもとに ─ 溝状舌 ─
広い意味で遺伝的に口臭の問題を起こすものとして、舌の形の異常によるものがあります。
溝状舌といって舌の表面にたくさんの溝やシワができる病気です。
多くは後天的なものですが、少ないながら先天的に起こる場合があります。
舌に溝やシワがあるとそのすき間に舌苔が溜まりやすくなります。
普通の人以上に舌による口臭が起こりやすい上、舌をクリーニングしてもきれいに舌苔を除去することが難しくなります。
この溝状舌は遺伝による口臭と言えなくもないですね。
民族・家族に受け継がれるような口臭はある
口臭はその人の食生活や生活リズム、そして歯のケアの習慣によって大きく変わってきます。
よく言われるのが民族による体臭や口臭の違いです。
スパイスを好む民族、唐辛子を好む民族、ハーブを好む民族。
それぞれにニオイが違うようです。
極端な話、その国の空港についた途端その国独特のニオイを感じるといいます。
家族単位で見ても、同じような違いが見られます。
他人の家に行った時、やはりその家独特のニオイを感じたことがありませんか?
普段の食生活や生活習慣が大きく関与しているのでしょう。
体臭や口臭においても、その家独特のニオイが感じられることがあっても不思議ではありませんね。
家に受け継がれていると言う意味では遺伝に近いものがあります。
結局は口のケア次第
生理的口臭に関しては、原因の大半を占めるのは嫌気性菌が作る悪臭物質です。
その家独特の口臭があったとしても、それは歯垢や舌苔が発生源であることがほとんどでしょう。
それならば生理的口臭を無くすための、きちんとした口内ケアをすれば問題無いでしょう。
ニオイを根こそぎ抑えてしまえば家独特のニオイも関係ないですから。
まとめ
以上のように、遺伝的に口臭が受け継がれることはまずないと思っていいでしょう。
食生活や普段の口内ケアをしっかりとしていれば、何の心配もいりません。
子どもは自分で口臭をコントロールするのは難しいでしょうから、親と一緒に習慣として行うことを身に着けさせましょう。
それでもほんのりニオイが残っているかも…と心配でしたら、子どもでも口臭対策サプリメントやタブレットは効果的です。
親子そろって息さわやかな人になりましょう。
